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【プロが教える】読まれる企画書・原稿の書き方

プロが教える読まれる企画書・原稿の書き方

第6回 読まれるプロット(目次立て)をつくる

投稿日:2014年1月8日 表示回数:1921 views

傍嶋 恵子
傍嶋 恵子

前回(第5回参照)は、本の仮タイトルを設定し、目的や対象読者を決定した。今回はいよいよプロットを作成していく。プロットとは本全体の構成のことだが、ようするに目次である。これまでにまとめた情報をもとにして、対象読者をどのように導いて情報を伝えていくのかを考えていこう。

読まれる本にするためのプロット作成

本を買うとき、多くの人は本の目次を確認する。本の目次をざっと見ると、何について書いてあるかがわかるので内容を判断しやすいからだ。

本のプロットは、やはり本を書く前にしっかりと練っておきたい。プロットでは、タイトルに沿って章や項の見出しを決めていく。ここで、実際に、まとめた情報を、どのような流れで伝えていけばいいのかを整理していくのだ。

プロットをしっかりと作り込んでおけば、楽に原稿を仕上げていくことができるのだ。

ただ、本を書く前に、プロットとして机上で情報整理をしていくので、実際の執筆中には途中で細かい部分の変更が出てくることだろう。これは、悪いことではなく、当然のことと知っておいて欲しい。普段、何事も机上で考えた計画通りには事が運ばないのと同様に、執筆もまた最初のプロット通りには進められないことが多いからだ。執筆を続けるうちに、書こうとする内容がより整理されて、文章のつづり方や展開の仕方が変わったり、新しい発想が浮かんだりすることがあり、細かいところで変更しなくてはならない状況が出てくるからだ。むしろ、プロットを何の変更することもなく執筆が進んでしまうのは考えものである。本の内容にもよるが、もしかしたら、執筆中に内容の前後の調整がとれていないということに気づかずに執筆しているかもしれないからだ。

そのため、プロットは、目次の「たたき台」として考えるとよい。執筆する中で細かい変更が出てくるようあれば、変更すればよい。

読まれやすいプロットのボリュームとは?

プロット作成では、第1章、第2章、第3章・・・と言うように、まず、「目次の大項目」を決めていく。この大項目の数は、想定する本のページ数や内容構成によって調整する必要がある。

電子書籍では、本のページ数の目安は、書店で並んでいるビジネス書の半分ぐらいの量を考えるとよい。紙の書籍は印刷された見栄えも考慮されて制作されているので、200ページ前後のものが多い。が、電子書籍は、端末の画面上で自在にページを操りながら読むことができるので、読了感を考えるとほどほどの量が好まれるようだ。そこで、およそ紙の本で100ページぐらいを目安にするとよい。ただ、電子書籍では、端末上で文字の拡大縮小が自由にできるので、ページ数よりも、文字数で考えることが多い。

現在、電子書籍で読み応えのある文字数は、3万字~5万字であるといわれている。それ以下の1万~2万字では、内容は薄いものになってしまいがちである。また、それ以上になると、読みやすさを考えて、2冊に分けた方がよい場合も出てくるだろう。

電子書籍は、端末で手軽に読める分、内容はあまり詰め込み過ぎずに、ある程度手軽に読めるように工夫したい。情報も、重要なものを絞り込んでチョイスするのがよい。

章立ては、一般的に紙の書籍では、5章~8章ぐらいで内容を盛り込むが、電子書籍では、文章量を考えると3章~4章ぐらいに設定するのが無難である。

章立ては3段階でシンプルに考えよう

本の章立てを行うときの考え方は、文章を書くときによく使われる「起承転結」を活用したい。ただし、このとき、「転」を除いて、「起承結」でまとめるのだ。言いかえると、「序(導入部)、破(展開部)、急(結論部)」とシンプルな3段階とする。

小説やエッセイなどの文芸書では、読者をストーリーに引き込むために起承転結が有効になるが、実用書では、本の内容にユニークさを求めたり、前半部分を「転」でくつがえしたりすると読者を混乱させ、わかりにくくなってしまうので気を付けたい。

それよりも、テーマを一本の軸として、「序(導入部)、破(展開部)、急(結論部)」で軸から逸れることなく内容を展開したほうが、本全体の内容がすっきりとまとまるはずだ。また、いつでもどこでも手軽に読めるという電子書籍の特性を考えると、短い時間で読者にわかりやすく情報を与えることは、読者にとっても制約ある時間の中でしっかりとした情報を得られることにつながるので喜ばれるだろう。これらを考慮して初めて「読まれる企画」につながるのである。

【序(導入部)】の組み立て方

本の構成の導入部について、まず考えてみよう。

本の目次の中には、「はじめに」や「序章」があることを皆さんはご存知だろう。それがここでいう「導入部」だ。ここには、本を書く上であらかじめ伝えておきたい内容を盛り込んでいく。

たとえば、

本が書かれた背景
・テーマに対する現在の問題点や事実
・この本で何を提案するか
・読者に伝えたいことは何か
・この本が世にでることで読者には何を知ってほしいか
・本の全体の流れ(必要に応じて)
・この本の読み方(必要に応じて)

といった内容だ。

導入部を、「はじめに」にするのか、「序章」にするのかは、上記のような前提となる情報の文章量によって使い分ければいい。前置きとなる情報を読者にしっかりと与えたい場合は、「序章」として1つの章にするといい。逆に、前置きとなる情報が1ページから2ページで収まってしまうような文章量ならば、「はじめに」の形を用いていけばいい。すると本の章立ては、次のような2つの構成になる。どちらにするかは、内容によって使い分ければよい。

  • 序章→第1章→第2章→第3章・・・
  • はじめに→第1章→第2章→第3章・・・

【破(展開部)】の組み立て方

次は第1章からの「展開部」の部分の設定だ。

「展開部」については、実際に皆さんが整理した情報をもとに構成していくが、本の展開のポイントは、「最初に伝えたい一番大切な情報」を最初に持ってくるといい。

たとえば、第4回第5回の記事で取り上げた「肩こり解消法」のテーマを次のように章展開してみた。

対象読者は、「仕事で常にパソコンに向かうことが強いられるクリエイター」とする。

著者が読者に伝えたいことは、「肩こり解消法の情報をいくつか伝えることはできるが、いくら肩こり解消法を知ったところで、一時的な解決法に過ぎない。肩こりを少しでも和らげるためには、根本的なところから姿勢を見直すことが大切だ」としたら、次のような章タイトルが考えられる。

例)クリエイターのための肩こり解消法(仮題)

【導入部】

序章

【展開部】

第1章 あなたの肩こりの原因はこれだ(←著者が一番伝えたいこと)
第2章 クリエイターのための椅子選び(←具体的提案(重要度大))
第3章 おすすめ肩こり解消法(←具体的提案(←重要度小))

【結論部】

第4章 日ごろから肩こりにならないストレッチ

ここでは、「展開部」は上記の第1章~第3章である。第1章で、クリエイターが抱えやすい肩こりの原因を調べ、それをまとめるわけだ。そして調べた結果、「椅子」に根本的な問題があったとしよう。

すると著者は、クリエイターに、まず「椅子」の選びなおしから提案をして、その上で、肩こりが発生した場合の解消法を提案する流れを作ったのだ。

【急(結論部)】の組み立て方

最後の「結論部」は、ここでは第4章にあたる。第4章では「展開部」にあたる第1章~第3章で述べた肩こり解消法を試せば、ある程度楽にはなるかもしれないが、日頃からのケアがあればもっと楽になる、という提案をして最後を結んでいるのだ。

こうすることで、本のテーマに1本の軸が通っていくのだ。これならば読者も順序立てて読んでいけば、一通りの知識を効率よく得られることだろう。

で、このように章立てができたら、それぞれの章の概要を下記のようにまとめておこう。

・・・・・・

序 章 肩こりに関する自分の経験や背景などをまとめる。

第1章 クリエイターが肩こりに陥る現状や原因を伝え、椅子の見直しや姿勢改善を提案する。

第2章 数多くあるPC用の椅子から秀逸なものをピックアップし、椅子のコンセプトや使い分けなどについて紹介する。

第3章 肩こりを手っ取り早く解消するために、マッサージ屋の紹介や体験記、グッズの使用体験記などを伝える。

第4章 即席肩こり解消の前に、普段からできる肩こりを楽にする身近なストレッチを紹介し、普段から肩こりに備えることをすすめる。

・・・・・・

このようにまとめれば、本の流れができるのだ。これを読むだけでも、本の形がある程度イメージできるのではないだろうか。

読むのに効率のよい見出しの構成とは?

章立て(大項目)ができたら、次に小項目を作成する。小項目とは、1章ならばその下の階層となる1-1、1-2、・・・という項目のことである。

ただし、小項目を作るときは、階層が深くならないように注意しよう。階層は、章タイトルと小項目の2段階にしておくのが無難である。3段階になるようであれば、2段階目を章に繰り上げるなどして考えていきたい。

たとえば、上の例(章タイトル)の第3章では、「第3章 おすすめ肩こり解消法」となっている。この中に次のような小項目を作ったとしよう。

3-1 マッサージ編

3-1-1 マッサージ

3-1-2 整体

3-1-3 指圧

3-2 グッズ編

3-2-1 ツボ押しグッズ

3-2-2 湿布

3-2-3 低周波治療器

上記のように3段階の見出しになると、この章だけボリュームが出すぎてしまうこともある。各章の文章量を考えて、章を次のように分けた方がよいだろう。

第3章 おすすめ肩こり解消法(マッサージ編)

第4章 おすすめ肩こり解消法(グッズ編)

 電子書籍では全体の文章量として3章~4章が無難だと前述したが、必ずそうしなければいけないものではない。大切なのは、本の内容を効率よく伝えられるように工夫することだ。また、全体として、それぞれの章の文章量を同じぐらいに調整することも大切だ。このようにすることで、まとまりがよく、情報を効率よく伝えられる本になるだろう。

以上のプロットが完成すれば、本の半分以上は完成しているといっても過言ではない。そして、この段階で、整理した情報をどこまでプロットに落とし込んでいくかということも、本の出来栄えには大切なことである。それぞれの項目に書くことをしっかりと整理していけば、より執筆が楽になることは間違いないだろう。

次回は、「企画書のまとめ」を解説していこう。これまでに整理したことを企画書に書き出していく。コツをしっかりとつかんで、自分で本を書くためだけでなく、出版社の企画会議でも通用する、「読まれる企画書」にしあげていこう。

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