publiss連載記事

【プロが教える】読まれる企画書・原稿の書き方

プロが教える読まれる企画書・原稿の書き方

第1回 「あなたにも書ける未来へつながる電子書籍とは」

投稿日:2013年11月27日 表示回数:1583 views

傍嶋 恵子
傍嶋 恵子

急速に広がる電子書籍出版

活字離れが進み、紙の書籍が売れなくなったと言われて数年。人々はそんなに本を読まなくなったのか、と思えば、インターネット上では、電子書籍の人気がうなぎ昇りである。ついには、Kindle PaperwhiteがTVのCMで宣伝されるほどまでになった。これはまるで、多くの人が活字を愛していることを証明しているようである。

電子書籍は数年前、実は日本では伸び悩んでいた。急速に広まったのは、個人がAmazonで電子書籍出版ができる体制が日本で整った後である。電子書籍出版は、これまで高額な紙本の自費出版で、自分の本を出したくても手が出せなかった人には、低コストで夢がかなえられる出版形態だ。お金をかけずに出版ができ、さらに、売れれば印税が入るしくみは、素人だけでなく、これまでプロとして活躍してきた物書きの人々にとっても、出版社の制約なしに自由に情報を発信していけるのはとても魅力に映る。たとえ、素人でも、Amazonなどで出版すれば、一流の作家と同等に肩を並べることだって可能なのだ。すでに多くの人が、電子書籍は、情報発信において最強のツールだと気付いている。

本はあなたにも書ける

この電子書籍市場の急速な発展は、ここ1年~2年で爆発的な伸びをしていくだろうと考える。すでに、筆者が開催する出版コンサルティングにおいても、自分の仕事に対して意欲的に取り組む人々は、電子書籍の将来性に興味を持ってやってくる。最初は皆、興味と不安が半々だが、すでに自分のコンテンツを持っている人や、将来の成長を視野に入れている人は、電子書籍を出版することを即座に決定する。そして、1冊だけなく、2冊、3冊と書きたいという希望も持つようになるのだ。多くの人にとって、やはり本を書くことは魅力なのである。

もちろん、希望者の中には、自分が何を書けばいいのかがわからない人も少なからずいる。このような場合、筆者は、本人の持っているものをヒアリングで引き出し、アドバイスを与えるのだ。本人が、自分が持っている何かに気付けば、後はするすると企画のテーマが必ず浮かび上がる。客観的に自分を見つめることで、誰もが何かを気付くのだ。どんな人でも人に誇れる何か素晴らしいものを持っているのだ。これから電子書籍を書きたいと考える人は、あなたは必ず何かを持っているということを忘れないでほしい。そこに気付けば、あなただって、あなただけの立派な本が書けるのだ。

「人に読まれる本」とは

せっかく本を書くのならば、自己満足の情報発信で終わらせるのではなく、情報に対しての読者からの反応をしっかりと受け止めていきたい。さらに、それを武器として、人々にとって有意義な情報を発信し続け、著者の人生を突き進んで欲しいというのが筆者の願いだ。またそれが、今後の情報社会に身を置く私たちの正しいあり方ではないだろうか。それには、あなたが書く本は、たくさんの人に読まれなくてはならないということを肝に銘じてほしい。

ちなみに筆者が行う出版コンサルティングには選考基準がある。たとえ自費で出版するとしても、自分本位の本を出版して満足だ、という考えの人は最初からお断りしている。もし、原稿がすでにあり出版をしたいという人であっても、人に読まれる本の形にコーディネートし、必要があれば書き換えてもらうという条件を受け入れられない方はお断りなのだ。そう、本を書くことは、世界中の人々を相手に情報を公開することを忘れてはならい。そこを意識し、しっかりとした情報発信をしなければ、人に読み継がれる本になるステージには立てないのだ。

「人に読まれる本」を書く理由

では、「人に読まれる本」を書くにはどうすればいいのだろうか。

まずは、読者の視点に立つことから始めよう。このとき参考になるのが、紙の書店で並んでいる本を買うときの行為である。みなさんが本を買う決め手はなんだろうか。タイトルだろうか、装丁だろうか、あるいは目次や内容だろうか、どれもが本を買うきっかけになりうるわけだが、読者は目にした本から何等かの有益な情報を得られると判断するからお金を払うことを忘れてはならない。つまり、本を買うということは、お金を出して情報を買うことである。

紙の書籍の良いところは、「手に取って見てもらえる」ところであり、人は、本を手に取ることで、買うか買わないかを簡単に判断ができる。一方、電子書籍は、タイトルや表紙の情報だけで、その場で買うか買わないかの判断がしにくいのが欠点である。中には、目次の内容が確認できたり、サンプル文書が読めたりするとはいえ、紙の本ようには確認できないのだ。だから、買うには思い切りが必要だ。電子書籍では、買う前に、本に書かれている内容の可否については判断しにくいことがネックになってしまうのだ。

そして、電子書籍を思い切って買ったことはいいが、内容にがっかりされてしまったらその本の価値は一気に下がってしまう。読者も憤慨するかもしれない。それが無料ならばともかく、100円といった安価なものだとしても、著者に対する評価はかなり低くなるだろう。すると、二度とその著者の本は買わないだろうし、電子書店の読者による本の評価も低評価が設定され、コメントには批判的なことが書かれるかもしれない。

紙の本と違って、電子書籍は、買う前のリスクがある分、著者に対する評価はより厳しくなるということを覚えておこう、

「読まれる企画書・読まれる原稿」を書こう

読者に受け入れられる本にするには、著者として大切なのは、「読まれる企画書」を作り、「読まれる原稿」を書くことである。

よく、本を書こうと、やみくもに書き始める人が少なくないが、このやり方では、プロでない限り、人に読まれる本を書くことは難しい。

商業出版では、本が出版できるかできないかを判断する「企画書」が必須である。なぜこの企画書が必要なのかというと、出版社側で、商品として出版する本のイメージを形作られなければならないからだ。そして、本が、おおよそどれぐらいの冊数を刷ればいいのかを判断するためにも、企画書が必要なのである。当然、企画書の内容に対して数字が叩き出せれば企画が通る。しかし、企画書で数字が出せなければ、本が売れるかどうかの判断ができず、企画書は通らない。

自分で本を書くのだし、企画書なんていらないのでは?と思うかもしれないが、それは間違いである。本に筋を通して、読者に伝えたいメッセージをぶらさずに書き上げるためには、企画書が必要なのだ。

企画書では、「タイトル」、「著者名」、「本の目的」、「対象読者」、「概要」、「プロット(目次立て)」の項目を整理していくが、これらは、読者に本をたくさんの書籍の中から選んでもらうためには大切な部分である。さらに、本が売れた後、肝心の内容を読者が読んでくれるかどうかは、読まれる原稿に仕上げることも大切である。

こういったことからも、企画書をきちんと詰めていくと、出だしはまず順調だろう。筆者の出版コンサルティングでも、コンサルの半分は、企画書制作である。もちろん、企画書に仕上げるまでの手順を丁寧にフォローするが、企画が完成したころには、情報を整理している段階でいろいろまとめているうちに、すでに原稿の下書きをいつのまにか終えてしまう人もいる。

このように、最初に企画書をしっかりと作り込むことで、すでにあなたの本は、他のありふれた本と一線を画し、読まれる本に一歩近づいているといってもいいだろう。

現在電子書店に並んでいる電子書籍は、無料のものもあれば、有料でも80円や100円といった安価なものも多い。安かろう、悪かろう、とは言いたくないが、実際、「安かろう、悪かろう」ものも少なくない。紙の本ではクリアできているレベル(誤字脱字や基本的な文章構成など)が、一人で本を書いて一人で出版した著者のものでは、最低限のレベルもクリアできていないものも少なくないのだ。たとえその部分がクリアしているものでも、果たして、その本が有益な情報を読者に提供しているかどうかという面ではまだまだ不安も多い。

情報社会に参加する本当の意味を知っておこう

前述したように、誰もが電子書籍出版を利用して情報発信できる時代がやってきたことは本当に素晴らしいことだ。が、一度ここで立ち止まり、情報発信について考えてみたい。

実は現在出回っている電子書籍は、すでに紙の出版社が既刊本を焼き直したものを除けば、おそらく制作段階で、他者の視点が介在していないものがほとんどだ。つまり、企画や執筆段階で編集者が絡んでいないということだ。

筆者は、この点については警笛をならしたい。情報発信をして、情報社会に参画することは有意義なことである。しかし、情報発信をするだけして満足をして良いのだろうか?

果たして、あなたが書いた本を買った人は、最後まで読んでくれるのだろうか、あるいは、あなたの本で感動や気付きを得て、本人は何らかの影響を受けているのだろうか。

本には「読者」がいることを忘れてはならない。本を書く目的は、読者に何らかの情報を伝えることだ。

電子書籍で情報を発信しても、それを読んでもらえなければまったく意味がない。読者のことを考えずに、誰もがこぞって自分本位な情報を発信しっ放しにしたとしたら、インターネット情報の信ぴょう性はすこぶる低くなるだろう。情報社会に身を置く私たちとしては、情報を一方的通行で発信することはとても無責任である。

筆者が、今後の電子書籍市場の広がりに懸念するのは、こういった素人が書いたインディーズレベルの本によって、情報になり得ていない情報が蔓延することだ。中には有益なものもあるだろうが、玉石混交である。

これからあなたが発信する情報は、これらの情報に埋もれずに、読む人に有益な情報として伝えていかなければならない。どうかこの連載を楽しんで、役立ててほしい。

ページ
TOPへ